ソフトバンクの宣伝を受けた利用者が、あまりに簡単に1万円(しかも毎月)の寄付ができてしまうということで炎上している問題。OpenID他Identity Managementの世界での第一人者である崎村さんが問題の分析と改善策についてツイートしていらっしゃいます。

「かざして募金」問題の分析と、誤動作や錯誤による申込みの救済方法についての提案

内容については、「ある行為がもたらす影響が大きいときに、実行の前にひたすら確認を多くするよりも、失敗を認識したときにそれを簡単に取り消せるようにした方が全体のコストが小さい」というもので、完全に同意です。

 この話を聞いて思ったのは、PCやスマホなどのクライアントOSとWebサービスの間の深くて、長い谷間。

 「ある行為がもたらす影響が大きいときに、実行の前にひたすら確認を多くするよりも、失敗を認識したときにそれを簡単に取り消せるようにした方が全体のコストが小さい」ので「必ず操作の取り消し(Undo)ができるようにしておくこと。どうしてもUndoができないときはしっかりと操作がもたらす影響を説明したうえで確認をとること」というような話は古くは1989年に発行されたAppleのHuman Interface Guidelineにも書かれていた話で、GUIベースのWindowシステムやそれに続くスマホ系のOSではかなり常識的な話。クライアントアプリケーションはかなり良くなっています。

Human Interface Guidelines:The Apple Desktop Interface(日本語版)


_SX386_BO1,204,203,200_


それがWebサービスになるともうぐちゃぐちゃ。コストの話どころか、UIの配置、ナビゲーション、レスポンスなどあらゆる場面でまったく統一がされておらず、使いにくいにもほどがある。ダイナミックな進化をしているといえなくもないけど、いつまでたっても洗練しないともいえるかもしれません。使い勝手がユーザ数に影響を与えるコンシューマ系サービスはまだしも、いやでも使わなくてはいけない社内システムと言ったら、口に出すのもはばかられるような状態です...

だれか、まともなWebサービスのUI/UX Guidelineを書いて普及させていただけないものでしょうか...

# そういえば、もっと簡単に崎村さんを形容する枕詞はないものか。「認証連携の貴公子」的とか「Identity Managementの匠」とか。IT界にも劇的Before Afterがほしいです。